FC2ブログ

ハルジオン

野の花を想いながら詩を書いています

時雨

時雨のような雨が降る
外を歩く人は寒かろう
こんな日は家の中から雨を見ているのがいい
雨に濡れた服は冷たかろう
早く乾いた服に着替えたいだろう
それなのに傘もささず ただ濡れるにまかせる人のいて
その人の後ろ姿を目で追いながら
雨に濡れたがっているもう一人の自分に気づいている





スポンサーサイト
[ 2017/11/30 11:17 ] | TB(-) | CM(0)

風にのって

風にのっていこう
枯野の原を吹きさらそう
私の問いかけに枯草は答えてくれる
吾亦紅はもう枯れてしまったのか

風にのっていこう
森の木々の間を吹き抜けていこう
私の訪れにカサコソと落ち葉が応えてくれる
梢にとまる鳥の傍らをそっと通り過ぎたら
木々のてっぺんまで吹き上がろう
青い空に白い月が

風にのっていこう
大海原を吹き荒れよう
延々と続く海の上をどこへ向かって吹けばいいのだろう
クジラは潮を噴き上げて私に合図をおくってくれるだろうか
青い空には白い月




[ 2017/11/25 18:01 ] | TB(-) | CM(2)

似ている

人参の皮と
柿の皮の色はにている

黄や赤に色づいた
柿の木の葉と桜の木の葉は
大雑把に言えば
にている

うつむいた私と
落ち葉の下に隠れる
だんごむしは
大雑把に言わずとも
にている



[ 2017/11/18 13:18 ] | TB(-) | CM(2)

風の音

風が吹いている
ひゅうう ごおおと風が鳴っている

裏山の枝ごと揺れ動く木々のように
胸がざわついて
不安を抱えて息をひそめる
風の音に耳をそばだて
目を凝らして窓の外を見る

吹き荒れる風が何かをさらっていきそうで
遠くから近づいてくる風音が何かを壊してしまいそうで
風はただ吹き抜けていくだけなのに
風はただ吹き抜けていくだけなのに




[ 2017/11/11 21:38 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)

あついとさむい

あなたが暑いと言うとき
わたしは寒い
ご飯を食べるとすぐに
あついあついと言い出すあなた
私はアツアツの鍋でも食べない限り
暑くならない
冷え性の足は冷たいままだ

あなたが寒いと言うとき
わたしは暑い
日の差し込まない部屋で
新聞を読んでいたあなたと
ちょこまかと身体を動かして
家事をしていた私
理由は歴然だ

夕方 冷え込んできたと
思っていたところへ
散歩から戻ってきたあなたの
あついあついがはじまる

それにしても
よく こうもまあ
シーソーのように
ぎったん ばっこんと
二人の暑い寒いが違うものだ
一日のうちに幾度かおきる
ぎったん ばっこん



[ 2017/11/07 23:39 ] | TB(-) | CM(0)

黄金色の魔法

空高く伸びたイチョウの木々から
色づいた葉が地上へとふってくる
くるくる はらはらと風に舞いながら
次々に途切れることなくふってくる
日の光を受けて一瞬きらりと黄金色に反射する
不思議な美しさに
わたしは空想する
黄金色の魔法をかけられて私はいま
幸せを夢見ることができると

 ― ああ、そう、家族で大笑いした時
くすくす笑いでもない
ニンマリ笑いでもない
あっはははと止まらない笑い声
何て楽しかったのだろう
何がそんなに可笑しかったのだろう
たわいもない日常の一コマ
幼かった子らの愛らしい姿

ふと我に返ると 
イチョウの木の前に年老いた私が立っている
私は魔法を過去の日を想い出すことに使ってしまった
子どもの頃のように空想の羽を広げることは
もうできないのだろうか
日は翳りイチョウの葉はもはや黄金色に輝きはしなかった





[ 2017/11/05 17:07 ] | TB(-) | CM(0)